昨今、インスタントコーヒーや即席スープなど、様々な食品の提供方法として確立されているフリーズドライ製法。
水(お湯)で戻すことで、乾燥前の状態に再現することができる面白い技術です。
佳秀バイオケムでも、健康食品原料バージンプラセンタ®純末P100の乾燥に使用しています。
いったいどんな仕組みであのような復元性の高い乾燥物ができあがるのでしょうか?
今回は、フリーズドライの仕組み(基礎編)としてご紹介します。
目次
フリーズドライは蒸発ではなく昇華を利用
フリーズドライとは、乾燥させたい対象物を冷凍し真空状態下で加熱することで乾燥させるといった乾燥法です。
通常、氷に熱を加えると、溶けて水になり(融解)、水蒸気になります(蒸発)。
水は100℃で沸騰し蒸発しますが、富士山の山頂で沸騰させようとすると88℃の温度でよいということをご存知の方も多いかと思います。
蒸発する温度が変化する理由は気圧にあります。山頂は平地と比べて気圧が低いために沸点も下がります。
フリーズドライはこの仕組みにより、ほぼ真空状態まで気圧を下げて、氷から直接水蒸気へと状態変化させる"昇華"を利用して乾燥させています。
下に水の状態図を示していますが、この通り、気圧と温度の条件によって変化する状態が変わってきます。
そのため、凍った素材の中から氷だけが抜けていきますので、冒頭に書いたように穴が多く開いている状態に仕上がります。
フリーズドライ製法の3大メリット
フリーズドライ製法でできた食品には、どんなメリットがあるのでしょうか。
1.お湯を注ぐだけで元に戻る
フリーズドライの最大のメリットは、お湯を注ぐだけで簡単に元に戻る復元性です。
この復元性を実現するのが、フリーズドライ製品の特長である多孔質状態によるものです。
穴が多く開いているので、水に触れる面積が多くなります。そのため水の浸透も早く、復元性が高くなります。
2.栄養素を失いにくい
冷凍した状態から乾燥をしますが、スプレードライ製法などでの乾燥に比べて低温(最終的に30℃~40℃程度)ですので、その素材に含まれる栄養素の大半を残すことができます。
プラセンタエキスのようにタンパク質などの有用成分を多く含んでいて、あまり熱をかけたくないという素材の乾燥に適しています。
3.保存性が高い
水分を抜いていますので、菌が繁殖しにくく長期の保存も可能になります。
しかし、保存状態によっては、多孔質状態があだとなり湿気たり、酸化したりということも起こります。
基本的には開封後すぐに使用するかと思いますが、保存する際は湿気の少ない場所や乾燥剤と一緒に保管すると良いでしょう。
防腐剤フリー化粧品にも、フリーズドライ技術が!
食品での利用のみと思われるフリーズドライ製法ですが、化粧品に配合される素材のフリーズドライ原料もあります。
メリットで挙げたように、復元性が高いことから美容液などに配合しやすいことや、水分を含まないことから防腐効果が高く菌の繁殖が抑えられるといった特徴があります。
最近では防腐剤フリーをコンセプトにした化粧品の開発が盛んになっており、フリーズドライ製法で作られた原料も活用可能です。
今回は、フリーズドライの基礎的情報をご紹介してきました。
佳秀バイオケムがご提供する健康食品原料バージンプラセンタ®純末P100は、非分解・純度100%の天然生エキスと低分子化エキスのWエキスを配合した健康食品原料です。
生エキスは、低温・低圧の低負荷で生成する独自技術により有効成分を壊すことなく抽出・精製しています。
乾燥工程でも、高温加熱せずに乾燥できるフリーズドライ製法により、熱に弱い有効成分をほぼ残すことができています。
プラセンタエキスのように今回ご紹介したメリットの恩恵を受ける素材を乾燥したい場合は、フリーズドライ製法も検討してみてはいかがでしょうか。